いくら弁明するためとはいえ、身内に「ヘタクソ」と言われるのだから大概だ。
3日のヤクルト戦で、リリーフの山本から右わき腹に死球を食らった阪神の近本。7月に巨人・高梨にぶつけられ、右肋骨を骨折したのと同じ箇所とあって、阪神の怒りが爆発した。
これを受けて4日にヤクルトの江幡球団専務が弁明。「要はヤクルトの投手がヘタクソというわけであって」と話し、「ギリギリ内角を攻める技術がなかった」と続けたという。
身も蓋もない発言だが、実際、ヤクルト投手陣のノーコンぶりは数字にも表れている。四球こそリーグ4位の326個だが、59死球は同最多。28暴投も同2位である。
江幡専務は「技術を向上して内角にきっちり投げられるようにしないといけない」と話したそうだが、プロ入り後に制球力を改善することは可能なのか。
評論家の高橋善正氏は「『コントロールは才能、球速は努力』なんて言われることもあるが」と、こう続ける。
■球速ばかりで、制球力はおざなりに
「さすがにノーコン投手を制球力抜群にすることは不可能でも、ある程度、修正はできます。ただ、コントロールの向上はそれを意識させた上で投げ込ませるしかなく、非常に根気がいる。さらに今はすぐにMAX何キロとか、球速ばかり注目される。投手も球速アップと、変化球の習得に夢中になり、肝心の制球力がおざなりになっている。ヤクルトに限らず、コーチ陣もそれでよしとしているのだから、ノーコンは増えるばかりです」
例えば元阪神の下柳剛氏(現評論家)はダイエー(現ソフトバンク)入団当初は絵に描いたような「ノーコン・速球投手」だった。しかし、当時の根本監督と権藤投手コーチが試合前の打撃投手を毎日行わせるなど徹底的な投げ込みを行わせ、制球力がアップ。これは元々体が丈夫な下柳だからできたことだと、権藤氏も認めている。「投手の肩は消耗品」という考えが浸透した今は、キャンプで100球投げただけで「投げ込んだ」と報じられる時代。いよいよ制球力改善は絶望的だ。
「先日、中継を見ていた妻が『今のキャッチャーは大変ね』と言っていました(笑)。外角に構えているのに内角にボールがいくのだから、捕手もあちこちにミットを動かさなきゃいけないので大忙しですよ(笑)」(前出の高橋氏)
死球を巡るトラブルは今後も多発しそうだ。
3日のヤクルト戦で、リリーフの山本から右わき腹に死球を食らった阪神の近本。7月に巨人・高梨にぶつけられ、右肋骨を骨折したのと同じ箇所とあって、阪神の怒りが爆発した。
これを受けて4日にヤクルトの江幡球団専務が弁明。「要はヤクルトの投手がヘタクソというわけであって」と話し、「ギリギリ内角を攻める技術がなかった」と続けたという。
身も蓋もない発言だが、実際、ヤクルト投手陣のノーコンぶりは数字にも表れている。四球こそリーグ4位の326個だが、59死球は同最多。28暴投も同2位である。
江幡専務は「技術を向上して内角にきっちり投げられるようにしないといけない」と話したそうだが、プロ入り後に制球力を改善することは可能なのか。
評論家の高橋善正氏は「『コントロールは才能、球速は努力』なんて言われることもあるが」と、こう続ける。
■球速ばかりで、制球力はおざなりに
「さすがにノーコン投手を制球力抜群にすることは不可能でも、ある程度、修正はできます。ただ、コントロールの向上はそれを意識させた上で投げ込ませるしかなく、非常に根気がいる。さらに今はすぐにMAX何キロとか、球速ばかり注目される。投手も球速アップと、変化球の習得に夢中になり、肝心の制球力がおざなりになっている。ヤクルトに限らず、コーチ陣もそれでよしとしているのだから、ノーコンは増えるばかりです」
例えば元阪神の下柳剛氏(現評論家)はダイエー(現ソフトバンク)入団当初は絵に描いたような「ノーコン・速球投手」だった。しかし、当時の根本監督と権藤投手コーチが試合前の打撃投手を毎日行わせるなど徹底的な投げ込みを行わせ、制球力がアップ。これは元々体が丈夫な下柳だからできたことだと、権藤氏も認めている。「投手の肩は消耗品」という考えが浸透した今は、キャンプで100球投げただけで「投げ込んだ」と報じられる時代。いよいよ制球力改善は絶望的だ。
「先日、中継を見ていた妻が『今のキャッチャーは大変ね』と言っていました(笑)。外角に構えているのに内角にボールがいくのだから、捕手もあちこちにミットを動かさなきゃいけないので大忙しですよ(笑)」(前出の高橋氏)
死球を巡るトラブルは今後も多発しそうだ。
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